現代人は、インドの口伝というものを軽視しすぎる傾向にある。

しかし、仏教を学ぶのならば、当時のインド人の思想哲学を本当に理解しようとすれば、もっと口伝を尊重しなければならない。

インドでは古来より、宗教の聖典は口伝によって伝承し、文字として残さないという伝統があったのだ。インド人は聖典を「あえて文字に残さなかった」のである。

インドでは何百年、或いはそれ以上の時間を経て醸成される口伝など普通である。例えば、中国の法顕という僧侶は、5世紀頃にインドに入ったが、仏典を専ら暗唱で伝えていた、と著書で記している。





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